86BRZのアキレス腱とされてきたのが6速マニュアルトランスミッション。その脆さはATモデル以下と多くのチューナーから酷評され、WPC加工やZ34ミッションの流用など様々な対策が考案されてきたが。ここで大本命として注目したいのがDG-5によるS15シルビア用ニスモ6速ミッションを流用した強化メニューだ。86BRZのMTはS15用としても採用されたアイシン製のAZ6をベースとしている。ただし、車格に応じて構成パーツは別物の部分も多く、わかりやすく言うと、機構が複雑化していてシフトタッチには優れるが、その分強度面で劣るのが86BRZ用なのだという。この傾向はZN8・ZD8においても変わりない。
　対してシンプルな構造でターボエンジンにも対応した強度をもたせた製品になっているのがニスモのS15シルビア用ミッションというわけなのだ。

　86BRZのミッショントラブルの多くは3,4速のカップリングスリーブが外れてしまい、ギアロックによるメインやカウンターシャフト破損というパターンが多い。カップリングスリーブにストッパーが無いためで、シフト操作次第では街乗りでもトラブルは発生してしまうようです。そこで86用のミッションケースにストッパー付きのカップリングスリーブを持つニスモS15用のギアアッセンブリーを丸ごと流用するのがDG-5の強化メニュー。スポーツ走行で多用する1～5速はクロスレシオのニスモ、6速はオーバードライブ設定の86用としてワイド化、理想的なギア比を実現しているのもポイントだ。強度は強化クラッチとの組み合わせで最大500PSにも対応した実績がある。